pockyの木工ライフ

随分昔に買った電動工具のバッテリーがヘタってきた。購入してから10年近く経つ。 「自転車小屋を作る」もう、ここ数年交換しようと思っていたが、交換用の新品を買うと結構いい値段する。交換用のバッテリーを3個買うと、ドリルドライバー＋インパクトドライバーに3個のバッテリーがセットで買えてしまう値段になっている。こちらのセットを買ったほうがお得だが、ドライバーとインパクトドライバーの本体はなんともないから、もったいない。プリンターではないが、消耗品の方で儲けるつもりだろうか。交換用のバッテリーパックの値段を何とかしてほしいものだ、ねえ、リョービさん。

セル交換を試みていたのだが、セルが意外と高く、安いジャンクの単3型でやってみるが、セルの内部抵抗が高いのか、モーターのトルクが出なくて失敗。

ちゃんとした、セルを探す。以外にも、よく行く秋月電子にあった。「サブC」とか「ミニ単2」とか呼ばれているらしい。 「ＳＣサイズ　ニッケルカドミウム電池（ＮｉＣｄ）　ＫＲ２０００ＳＣ」オリジナルの電池は1300mAだが、これは2000mAで容量がでかい。リョービにも2000mAのものもある。こちらは、1300mAタイプのものの3倍近い値段がする。充電器も2000mAに対応している。

オリジナルの電池パックの型番はB-1203M ニッカドの1300mA品である。

秋月で10本を購入。オリジナルと全く同じに結線していく。写真には写っていないが、もう一本接点部分に入り合計10本になる。

結線には薄い銅板を使った。ダイソーに売っていた「虫ヨラズ」という園芸用の虫除けに使うものだ。最近はもう置いていないようだ。普通の銅線でも構わないが、厚みがでると蓋が閉まりづらくなるかもしれない。あと、電流容量も欲しかったので、銅板を用いた。
接続は半田付けを行った。半田付けは、電池メーカでは推奨していない。むしろ厳禁である。セルを局部的に加熱することでセルが劣化するからである。だから電池の接続にはスポット溶接を用いる。
こんな設備はないので、仕方なくハンダ付けする。上記のことをわきまえて可能な範囲で短時間に済ませるようにする。具体的には熱容量の大きなハンダゴテで素早くつける。また、フラックスを塗っておくことも早く仕上げるコツだ。60Wの大型のコテを用いた。ワット数よりも熱容量＝外観が大きいものが必要だ。
（この記事を参考にされる方は、あくまで自己責任でどうぞ！）

ケースを被せる前に、手で触って発熱をチェックする。充電、放電ともにそれなりに発熱する。ニッカドは、有害物質が入っていること、電力密度があまり上がらないことから、Liイオン電池が流行っているが、ニッカドは内部抵抗が小さくて、モータなどの大電流の負荷に向く。また、充電もLiイオンやNi-Hよりは、ラフにできる。負荷や使用環境の特徴に合わせて、電池を選ぶことが肝心だ。もっとも、これらを克服して、最近では電動工具の世界でもLiイオンが主流に変わりつつあるが。

秋月の電池10本で2500円、正規の交換用のバッテリーパックが安いところで4000円弱。そんなに、お得ではないが、自分でできることに自己満足！？している。正規品は1300mAで秋月のものは2000mAだし、ちょっとは容量があがる。

2次電池の取り扱いは難しいので、発火、爆発にはご注意を！重ねて、自己責任でどうぞ！

【2013.12.7追記】======================================
もう一個の電池パックの交換をしてみた。型番はB-1203M1。先のものはB-1203M2で、今度のものの方が古いようだ。分解してみると内部の構造が若干違う。

先の写真にはなかった、先端部に入るセルの様子です。セパレータ（絶縁紙）の色と材質が異なっている。

手前の黒いリード線にサーミスターが付いている。豆粒大で小さい。抵抗値は常温で8KΩ程度だ。

もう一つの違いはこの温度フューズ？だ。抵抗値は0Ωだからフューズだと思うが、端子への接続が違う。前回のものは使用していない端子があったのだが、このあたりの仕様が異なっている。負荷（ドリル本体）側の端子は2端子のみだから、充電時に異常に温度が高くなった場合に充電を遮断するのであろう。

もう一つ厄介なのが、先端部のセルと端子の接続だ。これも先のものと同じだが、プラス側が端子と溶接してある。端子を使いたいので、電池と切り離すため、ミニルーターで切り取る。これが結構厄介な作業である。
この辺りは各自のやり方でトライしてみてください。

切り取った端子と電池を半田付けしたところだ。写真にはないが、絶縁紙を戻してできあがり。

温度フューズ？を電池に抱かせる。熱結合を蜜にする。

サーミスターもセルとセルの間に差し込み熱結合をとる。接着剤を流し込んでおく。

これで、2個めの完成だ。