I'll give to you a paper of pins
And that's the way our love begins
If you will marry me, me, me
If you will marry me
ピンを沢山刺した紙をあげる*1
愛が芽生えるきっかけになるものとして
もし君が僕と、僕と、僕と結婚してくれたらね
僕と結婚してくれたらね
I'll give to you a feathery bed
With downy pillows for your head
If you will marry me, me, me
If you will marry me
羽毛布団のベッドをあげる
頭を乗せるふかふか枕もつけて
もし君が僕と、僕と、僕と結婚してくれたらね
僕と結婚してくれたらね

But you don't want my paper of pins
And you don't want my feathery bed
You want my house and money instead
That is plain to see
でも君はピンを刺した紙も欲しがらない
羽毛布団のベッドも欲しがらない
代わりに僕の家とお金が欲しいんだ
まったくもって一目瞭然*2

Well, here they are take everything
My house, my money, my wedding ring
And in the bargain I'll throw in me
If you will marry me
いいとも、何もかも持っていくがいいさ
家も、お金も、結婚指輪も
その上おまけにこの僕もつけとくよ*3
君が僕と結婚してくれるならね

*1 通常は「待ち針を沢山刺した台紙」として解釈される。
*2 be plain to seeで「明らかにそう見てとれる」「一目瞭然である」。
*3 in the bargainは「その上、おまけに」の意。throw inは「おまけとして添える」。通販番組とかで良く言ってそう。

text & tune: 19世紀の英国民謡《カンタベリーの鍵》を原型としたアメリカ民謡《ピンを刺した紙》を、Ken Darby (Kenneth Lorin Darby 1909 – 1992) が編曲・改変したもの。




マリリン・モンローの主演映画の一つ『バス停留所』のテーマソング。世間知らずで純情な山出しのカウボーイの主人公が、マリリン演じるスレっからしの酒場の歌手に一目ぼれし、強引に結婚に持ち込もうとして騒動が起きるというストーリー。


《カンタベリーの鍵》ではスケールが大きくロマンチックな内容に、《ピンを刺した紙》では相手の女性が財産目当てと気づいた主人公が結婚を諦めるという世知辛い内容になっている。《バス停留所の歌》では、相手の意向も聞かず結婚を迫る主人公を象徴する歌ではあるが、ユーモラスかつけなげな歌詞に改変されている。

The Four Lads
収録アルバム: Music from Marilyn Monroe Films
The Bus Stop Song (A Paper of Pins) [From "Bus Stop"]
The Bus Stop Song (A Paper of Pins) [From "Bus Stop"]
Soundtrack Classics
2012-11-01


バス停留所 [DVD]
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アーサー・オコンネル
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2012-08-03


おまけ:作曲家兼編曲者であり、当時マリリンのボイストレーナーでもあるケン・ダービーは、レックス・スタウト著作の安楽椅子探偵ネロ・ウルフシリーズの大ファンでもあった。『The Brownstone House of Nero Wolfe(ネロ・ウルフのブラウンストーンハウス)』という架空伝記を書いている。

黒い蘭―ネロ・ウルフの事件簿 (論創海外ミステリ 130)
黒い蘭―ネロ・ウルフの事件簿 (論創海外ミステリ 130)
レックス・スタウト
論創社
2014-10-01